「汽車の旅はつまらなくなった……」と人は言う。旅と仕事の違いはあっても、このような人生の旅路もあり、それが旅する人々の安全を支えていることを、私は訴えたい。夏になると緑萌える広大な原野にサイロが点在する北の大地が旅の夢を誘う。1969年(昭44)以来、数えきれないほど訪れた北海道だが、映像のロケが終わってから2年以上も縁が切れていた。10年近く通っていない路線もある。懐かしい思い出を噛みしめつつ全
東京から鉄道で北海道の最東端へ... の続きを読む
滝の湯はわが国における伝統的浴法と言ってもよかろう。いまでも、鳴子温泉の「滝の湯」などでは浴室内に滝が落とされており、各地の湯治場に残る「滝の湯」という名の共同浴場には、いまは存在しなくともかつては滝があったはずである。草津温泉の湯畑下流部に湯滝があるが、ここにもかつては「滝の湯」があった。太さの異なる筧により、十数本の滝が架けられていた。寛文十二年(一六七二)に藤原長治が著した『温泉奇効記』にも
滝の湯はわが国における伝統的浴法... の続きを読む
根室ゆき快速〈ノサップ〉はステンレスの車体が銀色に輝くキハ54形ディーゼルカー1両。特急の旅が続いたあとだけに身軽な姿が新鮮だ。東釧路駅で網走への釧網本線と別れて釧路市を抜け出ると車窓は杜の点在する原野に変わり、緑一色の荒涼とした世界が辺境に踏み入った思いを深めた。人気のない大自然に抱かれて心がのびのびしたが、すぐに人が恋しくなる都会育ちはとても生活できないだろう。客室は前部と後部の座席群が中央を
日本最東端の納沙布岬へ... の続きを読む
温泉をめぐるこうした問題を看過してきた国も、偽装事件などが頻発したのを受けてようやく重い腰を上げたようです。平成17年2月、混泉法の運用を定めた「温泉法施行規則」が改正されました。環境基本法に基づいて設置された環境大臣の諮問機関・中央環境審議会の答申に基づくもので、5月24日から施行されています。改正内容は、前述した温泉法第14条の温泉成分の掲示に関するもので、従来の掲示内容に加えて「温泉の利用方
むしろ改悪?温泉法施行規則の改正... の続きを読む
「町の湯」で、岡山県から来ている30歳前後の女性と出会いました。彼女は重いリウマチだったのですが、地元の医者に俵山での療養を勧められ、湯治によって治癒したというのです。杖をついてやって来たのが、帰りは走っていたほど、と言います。その後も再発させないためのアフターケアに、定期的に湯治に通っているそうです。これは現代の不思議でも何でもなく、温泉に確かな療養効果があるという証左ですし、湯治とはそういうも
温泉街が1つの町として機能... の続きを読む
内風呂で観察していると、脱衣場から内風呂をそのまま通り抜けて露天風呂に直行する。露天風呂好きはじつに多いのですが、体を流してから行く人はまずいない。露天風呂より先に内風呂につかる人では、五人のうち二、三人はかけ湯をしたり、洗い場で洗い流してから内湯につかります。それでも五人のうち二、三人はそのままドボンと風呂に入ってしまうのです。私の観察ではマガイモノの温泉施設こそ、体を流さずの。どぼん派が多い。
宿には「飲泉できますか?」と尋ねよう... の続きを読む
宿の中で過ごす時間を如何に心地よく感じさせるか、考え抜いただろう主人の熱意が伝わるのは料理もまたしかり。地元小名浜に揚がる海の幸は勿論だが、築地からも、九州からも、目指す料理にそれが最もふさわしい食材であると主人が認めたなら、躊躇わずこれを使う。地のものに拘るあまり、その質を落としてしまう宿も少なくない。その地の特性を理解せず、無秩序に各地から食材を集めるのは論外だが、流通事情が格段に進歩した今日
選び抜いた食材を洗練された技で調理した料理... の続きを読む
山梨県には、ぬる湯というより冷泉に近い源泉湯船に浸かる増富ラジウム温泉と、下部温泉がある。さらに自炊宿が一軒残る西山温泉、奈良田温泉、佐野川温泉も湯治場に入れていい。温泉地数では二位の長野県、四位の新潟県にも、伝統的な湯治場が多い。長野県では、脳卒中リハビリに取り組む温泉として知られる鹿教湯温泉、共同湯が湯治客でにぎわう霊泉寺温泉と田沢温泉、江戸時代からの宿泊棟を維持する小谷温泉など。一三か所の共
甲信越・北陸地方の湯治場... の続きを読む
関西。和歌山電鐵には、愉快なデザインの車両が三種類も走っている。この鉄道は、赤字続きで廃止が打ち出された南海電鉄貴志川線を地元の熱意で引き継いだもので、活性化させるために奇想天外なアイデアが続々と実現している。マスコミで話題となった終点・貴志のネコの駅長たまが最大のヒットだが、電車も実に面白い。最初に登場したのが、地元の名産品であるイチゴをあしらった「いちご電車」だ。いちごミルクをイメージした白い
地元の熱意で引き継いだ和歌山電鐵にはアイデア満載... の続きを読む
外国人観光客を積極的に受け入れている国にとって日本は最重要国の一つですから、東京には多くの国の観光局があります。あるいは大使館の中に観光情報を専門に扱っている部署があります。こうした観光局等まで出向いて行けば資料は豊富で、詳しい話を聞くこともできますが、遠方で訪ねられない場合、電話やFAXで問い合わせることになります。しかし現実にはなかなかこちらの意思が伝わらないことが多く、欲しい情報は届かず必要
観光局等まで出向いて行く... の続きを読む
日本では、「東京マリオットホテル錦糸町東武」「ルネッサンス東京ホテル・銀座東武」「ルネッサンス岐阜ホテル」「ルネッサンスリソートオキナワ」などを運営してきたが、その旗艦ホテルとして、国際都市化する名古屋に進出した。名古屋には、関空に次ぐ24時間体制の中部国際空港が2005年にオーブン。トヨタ自動車を始めとする、自動車製造メーカーなどの厚い産業基盤があり、グローバルビジネスに対する移動、流通、情報シ
国際都市・名古屋の外資御三家... の続きを読む
パッケージツアーや団体旅行のバスが観光スポットに到着すると、人々は我先にとバスを降りて写真撮影に没頭します。まずは周囲の風景や建物をパチパチ、続いて仲間と何度も交代しながら記念写真をパチパチ。この間、ガイドは一生懸命声を涸らして説明しようとするものの、ほとんど誰も聞いていません。帰国して写真が出来上がってみると、さてどこで撮った写真だか全然分からない。お城が写っているけど、何番目に見た何という名前
むやみに写真を撮るより絵葉書を記念に... の続きを読む
町の中心を県道が通っている。しかし過疎に苦しんだこの町の道は狭い。私たちのバスも温泉街に入ることはあきらめて、やや外れた芹川の畔に止めることになった。しかしこれがいいのである。阿蘇の溶岩で造られた岩盤の川床を流れる清流芹川は、湯治場風情を一層掻き立てる。私たちはここをそぞろ歩きながら、川岸にある「ラムネ温泉」を体験し、名物の川の中の露天風呂「カニ湯」を眺め、温泉街の雰囲気を楽しみながら「御前湯」に
いくつかの嬉しい体験をする... の続きを読む
新しい機材は“おニュー”で気持ちがよいというだけでなく、実際のメリットが大きい。飛行機は量産品ではあるものの、すべてがオーダーメイドのようなものなので、製造のたびに改良が加えられてゆく。問題箇所や使いにくい点は、同型機でも、新しいほどどんどん改善されるのだ。乗客からすると、より。楽しく“快適”になっている。近年の機体では、まず収納場所が増えている。B747ジャンボ機でも、−(ダッシュ)200型は乗
望ましい「新しい機材」... の続きを読む
首都圏の国内線用空港として位置づけられてきた羽田空港に、二〇〇一年二月から国際チャーター便の乗り入れが認められるようになった。首都圏唯一の国際空港である成田の地位の低下を心配する「羽田の国際化」に反対の立場をとり続けていた千葉県が、成田が閉鎖される深夜一一時から早朝の六時までの七時間の発着に限って認めたためだ。国内最大の市場である羽田だけに、外国エアラインからの希望も多い。国内の大手三社が運航を計
羽田の国際化... の続きを読む
エクシブ鳴門もまた、初島に劣らず、優雅なひとときを体験させてくれた。こちらのエクシブも経営破綻したゴルフ場を再建し、それにホテル棟やスパ施設を増築したものである。が、初島の場合もそうだが、そんな暗い過去を少しも感じさせていない。高級会員制リゾートを謳うだけに、イメージ刷新は完璧を期している。ホテルの建物は、瀬戸内海を見下ろす高台にあり、海に向かって鳥が翼を広げるような形で建てられている。しかも、地
会員制リゾートは別荘よりも安上がり... の続きを読む
浴室のバニティカウンターの上に、円筒形の瓶に入ったスマートなミネラルウォーターが置かれている。初めて見る斬新なデザインの瓶である。銘柄はノルウェイ産の「VOSS(ヴォス)」。これが実に洒落ていて「思わず持って帰ってしまった」と言う知人がいた。これだけを見ても「備品類の選び方まで違う」と強烈に思わせる。一見、何だろうと思わせるデザインの体重計。バス・アメニティには英国製の「REN(レン)」という商品
日本で初めての備品類... の続きを読む
薬とトラベルカルテがあれば、海外旅行中の病気や事故に対して、かなりの安全性を確保できますが、トレッキングなど、アウトドアで比較的ハードにからだを使う旅行では、これまで説明した薬のほかに、応急処置のためのファーストエイトキットや、虫刺されなど野外特有のトラブルに対処する準備が必要です。こうした装備は、出かける場所によって違ってきます。トレッキングを例にとれば、スイスやオーストリアなど、山野から町まで
トレッキング用「基本セット」... の続きを読む
渓谷にこだまする瀬音に聴きほれながら寝入り、野鳥のさえずりとともに目覚めた。実に贅沢な旅の朝である。ここ「聴泉」と名付けられた離れの茶室は、小説家の大佛次郎や林芙美子が愛用した部屋だという。二間続きの部屋の、外との仕切りは障子であった。「日本旅館の持ち味は部屋と外の空気の一体感にあります」と語るのは、「福住楼」四代目館主さん。「昨年、クーラーを使わず大広間を開けっ放しにして、湯上がりに麦茶をお出し
最も箱根らしい温泉... の続きを読む
直入は人口僅か三〇〇〇人の山村だが、わが国では珍しく高温の炭酸泉が湧出していて、“飲泉文化”を核としたユニークな地域おこしを行なっている。ヨーロッパでは、「温泉は飲む野菜だ」といわれている。温泉にはナトリウム、カルシウム、鉄などの無機質が相当に含まれているため、飲めば野菜を食べたのと同じ効果があるからだ。入浴により温泉成分を皮膚から浸透させ、飲泉により消化器管から吸収させることで温泉の効果を上げる
鮮度一〇〇パーセントの温泉... の続きを読む
私は温泉の情報が一日も早く正しく表示されることを願っているが、残念ながら現状はそうではない。ならば利用者の側が、どう見分けていくかが重要なこととなる。次に私が経験的に得た温泉の見分け方を伝授したい。まず頼りになるのは、データが古いなどの問題があるにしてもやはり成分表である。ここではかりに成分表といっているが、実際に掲示しているものは「温泉分析書」というもののコピーが多い。成分や効能なども書かれてい
温泉をどう見分けるか... の続きを読む
「最近ずいぶん多いぬるぬるする温泉は、温泉の含有成分のせいばかりでなく、他人の身体の脂のせいもあるかもしれませんよ」。講演でこう語り始めると、皆目を丸くするのである。「二一世紀に残したい日本の風景」の第二位に選ばれた「別府の湯けむり」も、実は大いに怪しいのである。あの湯けむりがである。最近、温泉街を歩いてもちっとも湯けむりを見ることがなくなってしまった。それだけに余計に別府の鉄輪温泉の湯けむりに感
「別府の湯けむり」は大いに怪しい!?... の続きを読む
欧米流の「ホスピタリティ」というのは、日本の温泉旅館になじむものではありません。良し悪しは別にして、欧米人のビジネスというのは、合理主義的な発想に貫かれています。つまり、お金にならないサービスは「無駄」として排除するのが彼らのやり方なのです。接客業もその例外ではありません。「ホスピタリティ」というと、漠然と利益を度外視した慈善事業のようなイメージがありますが、それは誤解というもの。すべて客に対価を
欧米流のホスピタリティとは... の続きを読む
湯治場として行くのであれば、当然、そこは「ホンモノの温泉」でなければ意味がありません。病気を治癒する力をもっているのは、ホンモノの温泉だけです。だから昔は、質の高いお湯を提供する施設でなければ、だれも足を運ぼうとはしませんでした。逆にいえば、質の高いホンモノの温泉さえあれば、そこに多くの人が集まったのです。では質の高いホンモノの温泉とは何か。それは地中から湧き立ての温泉です。温泉の生命線は「鮮度」
観光地化すると温泉は主役ではなくなる... の続きを読む
私はこの夏、初めて海外旅行にいきました。その行き先は台湾。台湾は海外初心者にとってベストな場所だと聞いていました。台湾でびっくりしたのは人の優しさです。どの店でもみんな笑顔で接客は抜群。また、私が道に迷っていたら、「メイアイヘルプユー」と親切に声をかけてくれました。そして、なんと車で目的地まで連れていってくれたのです。台湾の人は本当に優しい。また、犬猫の動物達が人にすごくなついている事にもびっくり
初海外旅行で台湾にいきました... の続きを読む